Gummy Wax®とGummy Wax®STORONGの使い方

ワックスの溶かし方

一般的な透明ワックスと同様、ガスなど炎の直火ではミストや引火の危険性があるためホットプレートやIH調理器をお使いください。


ホットプレートやIH調理器の 温度設定は低めで、ゆっくり 溶かし始めてください。
半分ほど溶けましたら調理器の温度を調整しながら 完全に液体状 にしてください。

部分的に熱くなりすぎないように、かならず温度をはかり、かき混ぜながらゆっくりと
溶かし始めてください。

一気に高温で温めるとワックスが気化してミスト(霧状)が発生します。
180℃以上に上げると熱酸化により変色してしまう場合があります。

自立型で型崩れの少ない強い弾力のあるワックスで 流動点は高めですので
ワックスをある程度細かく切ってから溶かすと効率よく溶けてくれます。

200℃まで計れる温度計をご使用ください。

溶かし直してワックスを再使用する場合は、2回を限度にお使いください。
再使用しすぎると酸化のため黄変することがあります。


グミワックスの使用温度は140~160℃くらいが最適です。
160℃くらいで数分放置すると、ある程度気泡を飛ばすことができます。
その後目的の温度で使用して下さい。


グミワックスストロングは高弾力で粘度も高めなので、使用温度は150~170℃
くらいを目安にご使用ください。
気泡を極力抜きたい場合は160℃ほどで一旦加熱を止めある程度温度が下がってから
再び目的の温度まで加熱して使用してください。

他社の透明ワックスとの混合は組成の違いから灯すと引火の危険性があります。
絶対に避けてください。 必ずグミワックス単体でご使用ください。

キャンドルの芯について

一般的なキャンドルの芯が使用できます。
芯のサイズは制作するキャンドルの大きさにより異なりますが、お勧めのサイズは
◆Gummy Wax:8×3+2~10×3+2
◆Gummy Wax STORONG:D32~D60

特別な芯は必要ありません


芯には丸く編んだ「まる芯」と平たく編んだ「平芯」があります。

日本製でも海外製でも市販されている汎用性の広い芯が使えます。

「まる芯」は蜜蝋キャンドルなど燃焼温度の高いワックスに使われる事が多いですが
コシがあってロウ溜まりが大きくなっても倒れずらい特徴もありますので
グミワックスでは座金を使わないフローティングキャンドルなどに使うと良いようです。

通常は「平芯」を使うことが多いと思いますが、その場合は座金をいれて、ロウ溜まりの中で倒れずらい工夫が必要になります。

グミワックスは流動点が高いため 大きなロウ溜まりが出来づらく、それによって型崩れがしにくいのも特徴です。


キャンドルのデザインによって芯の選び方は様々ですが、直径25~30mmくらいのロウ溜まりのまま数時間燃え続けるくらいの芯の設定がベストです。
日本製の芯ですと「6×3+2」から「8×3+2」くらいの平芯が適用できます

「グミワックスストロング」は弾力も高く流動点も高いためグミワックスの芯の設定よりも一段階大き目の芯が必要になります。
直径25~30mmくらいのロウ溜まりが目的の場合、日本製の芯ですと「8×3+2」から「10×3+2」くらいの平芯もしくは D36からD60の丸芯が必要です。

いずれも着色や香り、キャンドルの形状などによって違いますので目安としてください。

芯のコーティング

キャンドルの芯は一般的な芯の作り方と同じように Gumm Wax® に浸してコーティングしてからのご使用をお勧めします。
キャンドルに最初に火を灯す時、炎が安定した大きさになるまで少し時間がかかるため、あらかじめ芯にワックスをしみこませておくこと(芯のコーティング)が必要です。

●150℃くらいに温めたワックスに芯を浸します。
●気泡が出ますが1分程すると落ち着いてきますので、ピンセットなどで取り出して冷ましてください。

同じワックスで何度も芯を作っていると、気泡や熱などによってワックスが変質してきますので、芯専用のワックスと容器を用意しておくと、無駄なくコーティングの作業ができます。

グミワックス・グミワックスストロングともに、同じ方法でコーティングできますが、「グミワックスストロング」は粘度が高いため「グミワックス」でコーティングした方が容易です。

着色について

着色には一般的なキャンドル用の染料・顔料・透明ワックス専用の液体染料が使用できます。


染料は紫外線に弱く退色や色移りがありますが、ワックスの透明感や質感を引き出してくれます。
芯の目詰まりの心配が少なく、深みのある濃い色のキャンドルを作ることができます。

顔料は色あせや色落ちがしにくいのが特徴ですが入れすぎると芯が目詰まりします。
少量で着色はできますが、やはり入れ過ぎは禁物です。
小さな粒状 またはフレーク状ですので、手が汚れにくく便利です。

液体の染料はグミワックスにも溶けやすく、少量で着色ができ発色の良い染料です。
専用のスポイト等で滴量を管理するにも便利です。
濃縮された染料ですので、少しづづ加えていくのがコツです。

ワックスが液体状になってから着色剤を入れ十分に攪拌してからお使いください。
専用のスポイト等で滴量を管理するにも便利です。


グミワックス・グミワックスストロングともに、同じ方法で着色できます。
特に「グミワックスストロング」は粘度が高いため、低めの温度で着色すると微妙なグラデーションや柔らかなマーブル模様など着色の自由度が増しました。
また「グミワックス」と「グミワックスストロング」の流動点の違いを利用してエッジの立った固い質感の差し色など様々な表情を実現できます。

香りの配合

一般的なジェル状の透明ワックスと同様、香りの種類や品質・ブレンドなどによってワックスに濁りがでたり正常な燃焼が得られない場合や、引火の危険性もあります。
ご使用者様の責任においてあらかじめ十分なテストをお願いいたします。


キャンドル専用の香料や、合成香料(フレグランスオイル)精油(エッセンシャルオイル)が使用できます。

香料の種類によってはワックスに濁りが出たり、燃焼に適さないものもあります。

香り成分の添加量はワックス重量に対して2%~5%程度を目安にご使用下さい。

一部の香料の種類によっては、色の経時変化の著しいものや、 香料自体に色を含むものもあるため注意が必要です。

香りの揮発をなるべく抑えるためには、一度液体まで溶かしたワックスをある程度まで冷ましてから香りを添加して、かき混ぜながらゆっくりと目的の温度まで上げていきます。

香りは引火点の低いオイル成分ですので、引火防止のためにも よく撹拌してから使用してください

香りの種類によっては細かいアワが出てきますが、 150℃くらいで数分置いておくとしだいに消えていきます。


グミワックス・グミワックスストロングともに、同じ方法で香り付けができます。
「グミワックス」は香りのオイル成分により粘度が低くなりがちですが「グミワックスストロング」はオイル成分による粘度低下を補えますのでより自立性が保たれます。

香りの不完全な混合が不規則に燃える炎を引き起こしたり、引火の可能性があります。
香り成分のポケットができないよう十分な攪拌をしてください。

気泡のコントロール

ワックスが熱酸化で変色しないよう最小の火力で、泡が出ないよう ゆっくりと混ぜながら溶かします。

温度の上限は155℃くらいを目安にして、完全に液体状に溶かします。

かき混ぜずに数分放置しておくと泡は消えたように見えますが、潜在的にまだ気泡はワックス中に潜んでいます。

155℃くらいの温度を維持したまま、更に10分ほど、かき混ぜずにワックスを寝かせてから使用します。

香りを加える場合は、溶けたワックスが一旦120℃くらいまで下がるのを待ってから添加し、香り成分のポケットができないようよく攪拌してください。
かなりの気泡が発生しますが、その後ゆっくりとかき混ぜながら徐々に温度を上げていき、 155℃くらいを維持したまま15分ほど寝かせてから使用してください。
香りの種類によっては寝かせの時間に違いがあります。

溶かすワックスの量や環境などによって気泡の抜け方の状態は違ってきます。
あまり長い時間高温を維持するとワックスに熱による変化が出る場合があるため、適切な温度と時間の管理が必要になります。

●注ぎ方にもちょっとしたコツのようなものがあります。
溶けたワックスをモールドに注ぐためには、湯切れの良い小さめの(500ccくらい)ビーカーが使い勝手が良いでしょう。
同じスピードで同じ分量のワックスをユルユルと注ぎます。

脇を締め、息をゆっくりはきながら集中して作業を進めます。
基本的な注ぎ方のコツを身体に覚えさせておくことは大切ですね。
ワックスの注ぎ方ひとつで、全てが決まると言っても良いくらいです。

●GummyWaxのモールド(型)はシリコン製が最も適しています。
収縮の少ないGummyWaxは、モールド内側の状態を完全にコピーしますので、モールド内のコンディションはいつも最良でなければなりません。

お菓子やケーキ用に市販されているシリコンモールドは手軽に利用できますが、肉厚の薄さによる保温性の無さや、内側表面の見えない凹凸などが気泡の原因になることがあるようです。

気泡が留まらないようにするには、モールド内側表面には異物が一切無いようにしなければなりません。
シリコンは型離れが良いので離型剤は必要なく、余分な油分は返って気泡の原因になることもあります。

モールドの予熱も大切な要素です。
冷えたモールドは表面のワックスを急激に固めて気泡を抱え込んでしまいます。
モールドの予熱を終えたタイミングで、ワックスの気泡抜きが終われるように、時間の管理が必要です。

●芯も気泡が発生する要因の一つです。
一般的に漂白されたコットン芯を使用されていると思いますが、 芯のセットには2種類考えられます。 
モールドに芯をセットしてからワックスを流し込む方法と、 出来上がったキャンドルに後から芯を差し込む方法です。

芯の製造や保管時の過程で付着した湿気その他が激しく反応して気泡が発生しますが、数分で収まります。 気泡を出し切ってから使用します。
コーティング後、数日たつと芯から若干の気泡が発生する場合もあるので、その日に使い切る分を見越した量をコーティングをします。

モールドに芯をセットするのではなく、後から芯を「ボッコ」などで差し込む場合は、芯からの気泡の心配はありませんが、 密閉容器に入れ冷暗所に保管しておいてください。